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東大教養シリーズ第6回「時間がつくる建築の豊かさ」

林です。

六本木にあるアカデミーヒルズで行われた「東大教養シリーズ 第6回」に出席しました。今回のテーマは「時間がつくる建築の豊かさ」でした。

■開催概要
名称:東大教養シリーズ第6回「時間がつくる建築の豊かさ」
講師:東京大学 大学院工学系研究科 建築学専攻 加藤耕一教授
日時:2019.2.13(金)19:00-20:30
場所:六本木ヒルズ森タワー49F アカデミーヒルズ
参加人数:約50人
参加費:3500円

 

 

 

 

 

■建築を活かす形とは
(1)再開発(スクラップ&ビルド)
(2)保存(修復)
(3)再利用(リノベーション)

現代日本では(1)が多いが、実は(3)が最も歴史が古く、古代から行われている。

■ヨーロッパにおける建築再利用の歴史
(例1)パリ オルセー美術館
1930年 オルセー駅:列車の長さに合わせた建築物が、列車が長くなるにしたがって使用不能となる
→駅を地下化した結果、地上は廃墟に。
→ナチス統治により捕虜収容所、物資庫に。
→1961年 再利用のコンペで、大型ホテルとなることが決定。
→建設準備の間に、パリ市長が「景観に合わない」とし建築停止命令。
→10年の間放置。
→パリ市の決定でオルセー美術館に。

(例2)古代ローマ 円形闘技場 → 軍事要塞 → 集合住宅

(例3)ディオクレティアヌス帝の大浴場(テルマエロマエ)→ サンタマリアデリアンジェリ聖堂(教会堂)

■今後の展望
・空家率が上昇中、現在14%。
・木造は根継ぎや壁形式など、リノベーションに適している。増改築が昔から行われている。
・RC造は今後問題になる。表面に見えない鉄筋のサビやコンクリートのひび割れ等、うまく調べる方法が開発されれば、リノベーション・リユースの対象が広がる。
・「とりあえず壊す」という考え・行為をやめれば、建築の新しい使い道が生まれるのではないか。

<感想>
東大の加藤教授による平易な言葉づかいでわかりやすい建築史の講義でした。建築物の役割が終わったあと様々な形で人々の生活の役に立つ様子を、ヨーロッパの有名建築物を土台にした写真を使って話していただきました。今後のリノベーションの方向性や可能性を考えさせられる興味深い内容でした。
また、アカデミーヒルズは会員制コワーキングスペースであり、セミナーを受けた当日限り会員制図書館カフェの利用ができるとのことで、夜景の美しい席で読書を楽しんできました。23時までオープンしているPCスペースやカフェでは、多くのビジネスマンが思い思いの場所で仕事や読書をしていて、いつもと違う世界に行ったような気分転換ができました。

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