「東洋ゴム工業の大臣認定偽装」というニュースが次々に報道されている。
今現在で、一番、具体的に書かれた記事のリンクがこちら↓
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20150315/694809/?P=1
※ケンプラッツの会員登録をしていないと冒頭の数行しか読めません。
申し訳ありません、ご了承ください。
<概略>
東洋ゴム工業はタイヤを販売しているため
免震部材の中でも、支持機能および復元機能のある積層ゴムのシェアが大きい。
さらに積層ゴムの中でも、減衰機能も持たせた高減衰系ゴムのシェアが大きい。
その高減衰系ゴムの大臣認定番号MVBR-0343という製品について
構造計算に考慮される定数である「製造ばらつき(10%程度が一般的)」が
試験結果に根拠の薄い係数を乗じて補正されていたという内容である。
製造ばらつきには
・個々の部材のばらつき、
・建物平均のばらつき、
・ロットごとのばらつきとあるがどの数値を補正したのか
またどの程度、補正したのか
実数値で応答解析を行うと上部構造の応答値は設計目標値を上回るのか
さらに事実が明らかになるのを注目したい。
ちなみに全製品交換と決めつけているビルオーナーもおられるとの報道があるが
応答値が設計目標値を上回らない場合
(かつ期待していた耐震性能が確保されていた場合)
部材の交換ではなく
建物の評価額や会社の信頼度に悪影響を与えたことに対する
損害賠償を求める方がより良いと思われる。
(交換工事中は現在もっているレベルの免震機能が維持できないため)
私が設計に携わった物件の免震部材に高減衰ゴムは採用していないが
ことによっては、他の免震部材でもありえる話なのか事実を確認して対応したい。
posted by 武居由紀子
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